事業紹介

1)船舶貸渡業(船主業)  2)船員配乗業  3)船舶管理業

当社は1972年に創業し、船員派遣業からスタートした船主・海運会社です。
現在は船員派遣業に加え、主に船舶の保有・貸渡、船舶管理業を営んでおり、近年は事業を多角化して不動産業等も行っています。
コアビジネスである船主業では、鉄鉱石や穀物などの輸送を行う大型ばら積船をはじめ、自動車専用船、冷凍船、コンテナ船等の船舶を多数所有し、国内外の荷主や海運会社に貸し出しています。また自社船に加え、他船主の保有船舶の管理や船員派遣などを含め約100隻の関係船舶に対し、経験豊富な監督の管理の下、高度な船舶運航・保守を実施しています。

 

 

1)船舶貸渡業(船主業)

船舶貸渡業は船主業とも呼ばれる事業で、当社のコアビジネスです。
当社の場合、内航船(日本国内の輸送のみに従事する船舶)と外航船(国家間の貿易に携わる商船。国内で完結する貨物輸送はできません。)の両方を手掛けていますが、現在は大型の外航貨物船が多数を占めています。⇒取扱船舶

海運業では荷物の運送を依頼する荷主に対し、様々な契約・運送形態で荷物の輸送需要に応えるオペレーターと呼ばれる海運会社(日本郵船㈱、㈱商船三井、川崎汽船㈱など)があり、それらのオペレーターや時には荷主に直接保有する船舶の貸し出しを行う船主が存在します。
船主は何十億円(船によっては何百億円)もする船舶に投資し、それらを荷主やオペレーターに貸し出し(傭船と言います)、時機をみながら船を売却するという事業を行っています。リース業の一種とみることもできますが、リース業よりも深く輸送業務に関与し、オペレーターや荷主と共に船舶の安全運航に携わり、時には人命・船舶・貨物・環境を守るために荷主・オペレーターとも交渉をしながら世界貿易の一端を担っています。

また契約の種類にもよりますが、多くの船主が船舶の保守管理(機器メンテナンスや船員の手配など)も合わせて提供し、自社の保有する船舶の維持管理に日夜努め、輸送をストップさせないように日々の業務を行っています。

当社では、日本国内は勿論、海外の多くの荷主やオペレーターとも取引を行い、50隻以上の自社船を保有しています。その多くが新造船として日本各地の造船所や海外の造船所で建造され、更に毎年数隻の新造船を船隊に加え、事業の維持・拡大を進めています。

 

2) 船員配乗業務

船員を雇用・派遣する業務です。
船舶の運航に必要不可欠な船員ですが、外航商船においてはフィリピンやインド、中国、東南アジア諸国、東欧などの船員を配乗することが多くなっています。当社は現在フィリピン、バングラデシュ、中国、ミャンマー、韓国の船員を外航船向けに配乗し、内航船向けに日本人の船員配乗業務も行っています。船員の雇用、教育については、現地の船員雇用を手掛ける代理店と協力しながら良い船員の確保に努め、自社船は勿論のこと、他船主の船舶にも船員配乗を行っています。
フィリピンは一大船員供給国で、当社はフィリピンに日本企業でいち早く進出し、現地船員配乗代理店オロフィルシッピング、ST Ocean Philippinesにおいて駐在や長期出張社員による現地陸上スタッフ及び船員への直接指導・教育を行い、優秀な船員の確保に努めています。さらに品質管理システムISO9001に基づいた運営管理を徹底し、事務の能率化を図っています。 また、下記各国船員配乗代理店においてもフィリピンの代理店同様、定期的な出張や駐在を行い、船員の乗船前研修・教育、下船後の再教育を十分に行い、安全運航管理指針の浸透を図っています。

船員配乗代理店
■フィリピン Orophil Shipping International Co., Inc. / ST Ocean Philippines / Fair Shipping Corporation
■バングラデシュ Haque & Sons
■ミャンマー Miraco Marine Services Pte., Ltd.
■中国 Sino Star Marine Services Pte., Ltd.
■韓国 Hanjoo Maritme

また、当社が長年支援している4年制商船大学VMA GLOBAL COLLEGE(フィリピン・バコロド市)は、フィリピン国内でも5本の指に数えられる海技大学の名門校として毎年数多くの優秀な海技従事者を世界の海に送り出しています。国際ルールに基づいた技術及び知識習得の場としてトレーニングセンターを併設する等、充実した教育環境の整備・提供に努めています。

 

3) 船舶管理業務

船舶の船体、機器の保守管理に加え、国際条約や各国・地域のルールを準拠した運航が行えるように船や各取引先と協力しながら日夜本船の安全運航を行います。
船舶は大容量の貨物を一度に運ぶことを目的に建造されるため、高層ビルにも匹敵する巨大構造物であり、一たび事故を起こすと、人命、貨物、環境に大きな被害をもたらします。古くはタイタニック号の沈没事故や巨大タンカーによる大量の油流出事故による環境汚染などがあり、そういった事故を未然に防ぎ、また事故が起きてもその被害を最小限に抑える管理が強く求められています。
そのような事故を防ぐため様々な国際条約やルールが設けられており、船舶管理を行う企業には、船舶管理を行う十分な能力があることを証明するDocument of Compliance(DOC)とよばれる書類を各国政府から取得することが求められます。当社は各国のDOCを取得し、本船への内部監査、第三者による外部監査、保安管理、PSC(Port State Control:寄港国による統制)による検船への対応など多岐に亘る業務を行っています。国際条約や各国ルールに準拠した規則や運航上必要な港湾情報、海賊情報、天気情報を含む参考資料等の提供、本船からの質問事項への適切な対応によって本船の安全運航を実現しています。
またSuperintendent(SI)と呼ばれる船の担当監督の技術指導のもとに高度な船体及び機関の保守管理業務を行っています。船舶は海上を常に航行しておるため腐食や錆などが発生し、また機器のトラブルも避けて通ることはできません。また自動車の車検と同様、定期的な検査と造船所での大規模修繕(入渠工事と呼ばれる)が求められ、当社は国内外の一流造船所とのネットワークを活かした入渠修繕の実績を積み重ね、綿密な船体保守管理に関して船主及び関係先より厚い信頼を得ています。
万が一、本船に緊急事態が生じた場合には早急に対応し解決出来るよう日頃より世界の各造船所、修繕業者をはじめとして、各機器メーカーその他関係機関と提携し、本船の安全運航を強力にサポートできる体制を構築しています。
昨今、環境負荷の低い燃料への一斉切替や船舶の外部格付け機関の登場などがあり、また環境問題が益々深刻化する中、船舶管理は複雑化・高度化していっており当社も日々研鑽に努めています。